建設業許可について - 会社設立・商業登記・許認可なら東京都港区芝浦(田町駅)の司法書士・行政書士
建設業許可
(1) 建設業許可とは
「建設業を営もうとする者は、政令で定める軽微な建設工事を除いてすべて許可の対象となり、28種の建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。」と法律で定められています。許可不要な軽微な建設工事のみを請け負う会社でも、許可を受けていれば信用につながるでしょう。
- *
- 許可不要な軽微な建設工事とは
- 建築一式工事
工事1件の請負代金が税込1,500万円未満の工事または延べ面積150u未満の木造住宅工事(2分の1以上を居住用) - その他の工事
工事1件の請負代金が税込500万円未満の工事
(2) 建設業の種類
許可の対象となる建設業には28種類の業種があります。
建設工事の種類 (建設業の種類は省略しております。)
土木一式 | 建築一式 | 大工 | 左官 |
とび・土工・コンクリート | 石 | 屋根 | 電気 |
管 | タイル・れんが・ブロック | 鋼構造物 | 鉄筋 |
ほ装 | しゅんせつ | 板金 | ガラス |
塗装 | 防水 | 内装仕上 | 機械器具設置 |
熱絶縁 | 電気通信 | 造園 | さく井 |
建具 | 水道施設 | 消防施設 | 清掃施設 |
(3) 許可の種類(それぞれの種類を選択します)
- 「大臣許可」または「知事許可」
- 国土交通大臣許可
2つ以上の都道府県に営業所がある場合。 - 都道府県知事許可
1つの都道府県に営業所がある場合。
- *
- 営業活動は許可を受けた都道府県のみですが、建設工事は他都道府県でも行うことができます。
- 「特定」または「一般」
- 特定建設業許可
発注者から直接請け負う「元請業者」として工事1件税込3000万円以上(建築一式税込4500万円以上)の下請契約を締結する場合。 - 一般建設業許可
「元請業者」として上記下請契約金額未満の場合。または、工事のすべてを自社で施工する場合。
- *
- 1業種について両方の許可は受けられません。
- 「法人」または「個人」
(4) 許可に必要な要件(すべての要件を満たしていることが必要です)
- 経営業務の管理責任者が常勤でいること。
「経営業務の管理責任者」とは、営業所において、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者をいいます。
法人では常勤の役員、個人では事業主本人または支配人の者が、以下のどれかに該当する経験を有していること。- 許可を受けようとする業種に関し過去に同業種の許可を受けている会社に5年以上の経営経験を有すること。
- 許可を受けようとする業種に関し過去に同業種の許可を受けている会社に7年以上の「経営補佐」経験を有すること。
- 許可を受けようとする業種に関し過去に「異業種」の許可を受けている会社に7年以上の経営経験を有すること。
- 国土交通大臣が同等以上の能力を有するものと認定した者。
- 専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること。
「専任技術者」とは、各営業所ごとに常勤して、専らその業務に従事する者をいいます。一般建設業と特定建設業、受けようとする業種によっても要件(資格、実務経験等)が異なります。
- *
- 「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」との双方の基準を満たしている者は、同一営業所内において、両者を1人で兼ねることができます。
- 請負契約に関して誠実性を有していること。
請負契約に関して「不正な行為」または「不誠実な行為」をするおそれが明らかな者でないこと。「不正な行為」とは法律に違反する行為、「不誠実な行為」とは契約に違反する行為をいいます。 - 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること。
- 「一般」建設業の場合(下記のいずれかに該当すること)
- 自己資本の額が500万円以上あること。
- *
- 自己資本とは、貸借対照表の純資産合計額をいいます。
- 500万円以上の資金を調達する能力があること。
- *
- 申請日1か月以内の預金残高証明書などで証明します。
- 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること。
- 自己資本の額が500万円以上あること。
- 「特定」建設業の場合(下記のすべてに該当すること)
- 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと。
- 流動比率が75%以上であること。
- 資本金が2000万円以上であること。
- 自己資本が4000万円以上であること。
- 「一般」建設業の場合(下記のいずれかに該当すること)
- 欠格要件等に該当しないこと。
- 許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているとき。
- 法人にあってはその法人の役員、個人にあってはその本人、その他令第3条の使用人(支配人・支店長・営業所長等)が、次のような要件に該当しているとき。
- 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者
- 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者
- 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、または請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止に関する法律の規定に違反し、刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
(5) その他の要件
営業所の要件
営業所とは、本店、支店、常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことです。
- 請負契約の実体的な業務を行っていること。
- 電話、机、各種事務台帳等を備え、居住部分等とは明確に区分された事務室が設けられていること。
- 経営業務の管理責任者または建設業法施行令第3条の使用人が常勤していること。
- 専任技術者が常勤していること。
(6) 許可申請の手数料
国土交通大臣 | 知事 | |
---|---|---|
新規、許可換え新規、般・特新規 | 15万円(振込) | 9万円(現金) |
業種追加、更新 | 5万円(収入印紙) | 5万円(現金) |
- *
- 申請の組み合わせにより、加算されます。
(7) その他
- 一級建築士、二級建築士、木造建築士の資格に基づく新規の場合、建築士事務所の登録を受けなければならない場合があります。
- 現在個人事業主として既に許可を受けていて、法人化して事業継承したい場合、個人事業の廃業届を提出する必要があります。
- 公共工事の入札参加資格審査申請手続きは、建設業許可を受け、経営事項審査を終了していないと通常行えません。
(8) 許可申請後
- 建設業者は建設工事の現場ごとはもちろん、その店舗(本支店・営業所)に標識を掲示しなければなりません。
- 毎事業年度終了後4か月以内に決算届を提出する必要があります。
- 許可の有効期間は5年間です。期間が満了する日の30日前までに更新の申請をしなければなりません。申請をしなければ期間満了後、効力を失い、営業ができなくなります。
- 申請事項に変更があった場合には、その都度、法律で決められた期間内に変更届を提出しなければなりません。遅滞した場合は、法に基づく罰則があります。
- 廃業について建設業法第12条に記載された事項に該当するときは、法で定められた期間内に廃業届を提出しなければなりません。
(9) 新規申請の流れ
電話にて来所の予約
来所時
- 現在の状況・ご依頼内容
- 建設業の種類の確定
- 許可の種類
- 許可に必要な要件の確認
会社設立登記と合わせて許可の申請をお受けできます。
書類の取り寄せ、記入・署名書類の作成*
*準備する書類 ※東京都知事許可の場合
書類のお預かり、費用の精算
申 請
許可申請後、知事許可については約1ヶ月後、大臣許可については約3か月後に役所から主たる営業所(本社)に「許可通知書」が郵送されます。
- *
- 準備する書類 ※東京都知事許可の場合
- 住民票(3か月以内に発行)
- 法人の印鑑証明書(申請者および常勤・非常勤証明書発行の場合の証明会社)
- 個人の印鑑証明書(管理責任者・専任技術者)
- 国民健康保険被保険者証の写し
- 定款(法人)
- 会社謄本(法人・3か月以内に発行)
- 証明会社の会社謄本(5年以上または7年以上)
- 証明会社の新規申請の副本および許可通知書(新規および現在)の写し
- 個人の場合該当年の確定申告書の写し(原本還付)
- 資格の卒業証明書、資格証明書等を原本提示(原本還付)
- 事業税(知事)法人税(大臣・法人)所得税(大臣・個人)の直前1年分の納税証明書(3か月以内に発行)、または事業開始(法人設立)届の写し
- 決算報告書
- 500万円以上の預金残高証明書(1か月以内に発行)
- 直前1年分の工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 役員全員の略歴書
- 営業所が自社所有の場合、建物の登記簿謄本または評価証明書
賃貸の場合、賃貸借契約書の写し - 営業所所在地案内図および写真
-
調査依頼書(大臣許可の場合)
(10) 更新申請
許可の有効期間は5年間です。知事許可の場合は期間が満了する日の2か月前から30日前までに更新の申請をしなければなりません。なお、更新申請をする前に毎年の決算届や申請事項に変更がある場合の変更届の提出をしておく必要があります。
- 現在の状況の確認
- 前回許可日の確認(更新可能かどうか)
- 毎年の決算届提出の確認
- 申請事項に変更がないかの確認
- 準備する書類 ※東京都知事許可の場合
- 住民票(3か月以内に発行)
- 健康保険被保険者証の写し(申請会社適用のもの)
国民健康保険者証写しの場合、加えて確定申告書の写し(原本還付) - 役員全員の略歴書
- 定款(法人・定款変更に関わる議事録も含む)
- 会社謄本(法人・3か月以内に発行)
- 許可申請の副本
(11) 決算届
変更届のひとつとして、毎事業年度終了後4か月以内に営業の継続を確認する意味で決算報告を提出する届があります。毎年の決算届の届出をしていない状態では更新申請ができません。
- 現在の状況の確認
- 許可年月日・許可番号の確認
- 事業年度の確認
- 使用人数、令第3条規定の使用人、定款の変更があるか
- 準備する書類
- 今期事業年度の工事経歴書
- 今期事業年度の工事施工金額
- 今期事業年度の事業税(知事)法人税(大臣・法人)所得税(大臣・個人)の納税証明書
- 今期事業年度分の決算報告書
- 今期事業年度分の事業報告書(特定有限会社を除く株式会社)
- 使用人数、令第3条規定の使用人、定款の変更がある場合はその書類
(12) 変更届
許可を受けた後、申請事項に変更があった場合は、必要な書類とともに届出期間内に変更届を提出しなくてはなりません。
- 変更後速やかに
- 国家資格者等、監理技術者の有資格区分の変更、技術者の追加・削除
- 変更後2週間以内
- 経営業務の管理責任者の変更、追加、削除(一部廃業に伴う届出)、氏名
- 専任技術者の担任業種または有資格区分の変更、追加、交替に伴う削除、配置される営業所のみの変更、削除(営業所の廃止、一部廃業に伴う届出)、氏名
- 令第3条に規定する使用人の変更
- 変更後30日以内
- 商号の変更
- 営業所の名称、所在地、電話番号、郵便番号、新設、廃止、業種追加、業種廃止
- 資本金額の変更
- 役員の就任、辞(退)任、代表者、氏名
- 支配人の新任、退任、氏名
- 事業年度終了後4か月以内(決算届と一緒に提出)
- 使用人数
- 令第3条に規定する使用人
- 定款