公益法人の登記について - 会社設立・商業登記・許認可なら東京都港区芝浦(田町駅)の司法書士・行政書士
公益法人の登記
(1)従来の公益法人(平成20年12月1日以前)から移行する場合
A 社団法人・財団法人
- 5年以内に一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人へ移行
*移行までの間、法律上「特例民法法人」と呼びます。 - 移行の流れ
認定の申請前にすべきこと
- 組織形態の見直し
- 定款の変更案の作成
- 公益目的支出計画の作成(一般社団・一般財団法人)
- 公益認定の基準を満たしているかの判断(公益社団・公益財団法人)
認定の申請
- 内閣総理大臣または都道府県知事あてに、認可申請書類を提出します。
申請の審査
- 内閣府(都道府県)は、申請書類を確認の上、公益認定等委員会(都道府県に置かれる合議制の機関)に諮問します。
認定又は不認定
- 公益認定が不認定の場合は再度申請するか一般のほうへ申請。
- 一般社団・財団法人が不認定の場合は、改善後再度申請。
移行登記
- 認可を受けた法人、2週間以内に「移行の登記」申請。
B 中間法人
- 有限責任中間法人
- 施行日をもって一般社団法人となる
- 定款も当然に一般社団法人の定款となるため、作成し直す必要はない。
- 監事を置く旨の定めがあるものとみなされる。
- 登記の申請
- 名称に「一般社団法人」という文字を使わないといけないため名称の変更登記が必要。
- 登記は、施行日(平成20年12月1日)の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会において変更し、2週間以内に申請。
- この登記の申請と一緒に「理事の氏名」「代表理事の氏名・住所」「監事の氏名」の登記をしなければならない。
- 施行日をもって一般社団法人となる
- 無限責任中間法人
- 名称に「無限責任中間法人」という文字を用いた一般社団法人となる
- 平成21年11月30日までに移行の登記をしないと解散
- 必要事項の決定し、債権者保護手続(1か月以上)が必要。
- 移行しない場合は職権にて解散。
(2) 新しく設立する場合(平成20年12月1日以降)
- 一般社団法人・一般財団法人
- 主務官庁の許可は不要
- 公益社団法人・公益財団法人になるためには、一般社団法人 ・一般財団法人からの公益認定が必要
- 税制は、全課税または収益課税を選択できる
- 一般社団法人・一般財団法人の組織のパターン
・ 一般社団法人の組織のパターン
@ 社員総会+理事
A 社員総会+理事+監事
B 社員総会+理事+監事+会計監査人
C 社員総会+理事+理事会+監事
D 社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人
・ 一般財団法人の組織のパターン
@ 評議員+評議員会+理事+理事会
A 評議員+評議員会+理事+理事会+会計監査人
- 一般社団法人・一般財団法人の違い
一般社団法人 一般財団法人 設 立 ・名称中に「一般社団法人」をつける
・設立は社員2名以上
・定款は設立時社員が作成
・定款は公証人の認証が必要・名称中に「一般財団法人」をつける
・設立には300万円以上の拠出が必要
・定款は設立者が作成
・定款は公証人の認証が必要機 関 ・理事(任期2年以内)は必置
・社員総会は必置
・理事会、監事(任期4年、2年まで短縮可)の設置は任意(理事会等を置く場合は必置)
・理事等は社員総会の決議によって選任・理事(任期2年以内)は必置
・評議員(任期4年、6年まで伸長可)
・評議員会、理事会、監事は必置
・評議員の選解任方法は、定款で定める(理事、理事会による選解任は不可)
・理事等は、評議員会の決議で選任その他 ・定款で基金制度の採用が可能
・社員による役員の責任追及の訴えが可能・目的、評議員の選解任方法についての定款変更には制限あり
・二期連続して純資産額が300万円未満となった場合は解散 - 公益社団法人・公益財団法人
- いきなり公益社団法人・公益財団法人を設立することはできない。まず一般社団法人・一般財団法人を設立してから公益認定
- 公益認定には厳しい要件があり、毎年その要件の順守が求められる
- 税制面のメリットは多くはないが社会的な信用度は高くなる
- *
- 平成20年12月1日から新制度となりますが、まだ正式に確定していない事もありますのでご確認されることをお勧めします。
(3) NPO法人
NPO法人とは、特定非営利法人のことで、法人格をもたない任意団体に法人格をもたせ、 法人として事務所を借りたり、不動産の登記をしたりすることができるようにしたものです。
- 要 件
- 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
- 営利を目的としないこと(利益を社員に分配しないこと)
- 社員の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
- 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
- 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
- 特定の公職者(候補者を含む)または政党を推薦、支持、反対することを目的とするものでないこと
- 暴力団でないこと、暴力団または暴力団の構成員の統制の下にある団体でないこと
- 10人以上の社員を有するものであること
- 設立の手続き
所轄庁(都道府県知事、2以上に事務所を設置するには内閣総理大臣)に申請書、書類等を提出
4か月以内に認証(不認証)
認証後、法務局へ設立の登記申請
登記が完了した旨の届出(所轄庁へ)
- 法人格取得後の手続き
- 事業報告書等の情報公開と所轄庁への提出
毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等及び役員名簿 等を作成し、定款とともに主たる事務所に備え置き、所轄庁に提出して一般公開されることとなります。
- 納税
国税である法人税については、公益法人と同様に、法人税法に規定された 収益事業からの所得に対して課税されることとなります。それ以外からの 所得については非課税です。
地方税も、収益事業から生じた所得に対しては課税されます。また法人住民税(均等割)は、所得の有無にかかわらず原則課税されます。
詳細については、税理士等の専門家、税務署、都道府県税事務所にお問い合わせください。
- 事業報告書等の情報公開と所轄庁への提出